先日、長くかかってしまった修理預かりフレームを納車。
長くかかっただけに作業はえらく手間がかかってしまいました。
チェーンステーの根本にクラックの入ってしまったもので、リペアついでにカスタムもしてしまおうという計画。
リアバック総取替え。
フレームは某ギャングなフレームで対応ホイールは700cですが、29erタイヤが入るように変更。
しかもリアセンター激詰めで、との事。
わがまま聞いてナンボの当工房、わがまま言ってナンボうちのお客さん(あまり過剰なワガママは勘弁してください)、ですが修理でここまで気合を入れる奴も少ない。
リアセンターを詰めるという作業、これが実はビルダー泣かせ。
詰めるほどにタイヤとのクリアランス、チェーンリングとのクリアランス、BBパイプの接合部などの兼ね合いが難しい。
一つにとらわれれば何かに干渉し、色々なものと擦るようになる、全体を見ないとマズイ。
だからメーカー品などは干渉を恐れ、詰まっているものが少ない。
なんにでも言えるかもしれないけど、ギリギリというのは美しかったりするが、リスクを背負う。
特にタイヤが太く、詰め気味というのがやはり考えてやらないと痛い。
しかも今回は強度まで出してくれというから余計にやっかい。
そんな要望で彼が希望してきたのが板型ステー。
リアを詰める自転車にちらほら採用されている板型。
ハンドメイド、しかもロウ付フィレットでやるのが非常に困難。
こっちも意地です。
どう考えても強度が確保できなかったり、作業的に不可能と確実に判断できるもの以外は挑戦したい。
意地になりすぎる引き受けるといつも作業中に後悔するが、四苦八苦しながらやってるとできるもの。

写真見るとまだ隙間空いて見えますが、シートチューブとはギリギリ。
強度とありえなさを求めている感がムンムンと伝わってきたので、使用した板は10mm厚クロモリ鋼。
鉄自転車ではまずありえない厚さを面白がって提案したら乗り気だったのでこんな仕様に。
そのまま使ってはいくらなんでも重すぎるので、強度が落ちないようにゴツイ切削をしてやりました。
小さな工房で重切削は泣きが入ります。
この辺の細かな仕上がりはこっちのセンスが問われる。
かなり手間かけたので名前を残したくなりましたが、自分の製作したもの以外には銘は切らないので打刻印。
さすが10mm厚と意気込んで、普段より大火力でロウ付。
最近自分の中でロウ付部の強度が何段階かあり使い分けているのですが、これは出来る中で最大強度付けになっております。

シートステーもガラリと表情を変える。
もはやリアバックに面影も少ない。
細部に至るまでこだわりを込めた修理?カスタムでした。
とにかく大変な加工でした。
自家塗装で仕上げられた改造部はジャンクな仕上がりですが、独特な個性を放っています。
そしてオーナーのsouのファッションも独特。

ケミカルウォッシュをこよなく愛すBack to the future的思想。
怪しい、今時探すのも苦労することだろう。
こういう独自なモノを謎に追っかけている奴は何故か好感持てます。
souくん、ケミカル身につけていないとうちは門前払いです。
彼の今後の動向が気になります。








