使いやすいもの。其の壱。

 

 

 

 

当工房はジャンルレスで様々なものを承っておりますが、特に得意としているのは生活に密着した日常使用の自転車です。

 

レーシングやスポーツ用途も勿論できますが、街道用は特に施工経験も多く独自の提案が出来ると思います。

 

本気な分野を本気で作るところは多いですが、ゆるいスタイルを本気で考えるところは少ないです。

REW10はどんなスタイルでも本気です。 

 

 

 

 

今回はMTBも好きで乗っているが、街乗りも多いので利便性を向上したいというお客様よりご相談いただきました。

 

 

 

Mr.H's SURLY CUSTOM TROLL

 

 

先にカスタム終了後の姿です。

 

再塗装もご希望でデカールも復元したので、元からこうだったかのように仕上がってます。

 

 

 

駆動をGates carbon drive(ベルトドライブ)へ変更。

ステアスタビライザーの追加。

センタースタンド板ブリッジの追加。

 

カスタムを承った主な内容は上記です。

 

 

 

完成見るとあっけないですが、ここへ至るまでは色々な作業をしております。

 

 

BEFORE

 

 

 

SMOOTHING & BELT CONNECTOR

 

BEFORE

 

 

SMOOTHING

 

 

使う仕様が決まれば不要なものは除去すると仕上がりが綺麗です。

 

使う予定のないカンチ台座は除去。

再塗装をすれば元から無いようにしか見えなくなるよう気を払いました。

大事なのはペーパー目ではなく、歪みない光沢の線にあります。

綺麗に見せるというよりも地を作り直す、そんなイメージの研磨。

いくら鏡面に磨こうと平滑な地が出来ていなければ、仕上がりに違和感が生じます。

 

 

 

Gates carbon driveの導入カスタムのご相談は以前より増えました。

 

鉄フレームならば概ね導入できますが、導入までの道程が少々難ありの条件付きです。

 

ベルトはチェーンのように切断できないので、フレームに分割機構を設けます。

通常は今回使用したコネクター小物をシートステーに取り付けます。

このコネクターが使える径は通常外径16㎜のみ。

その他外径のパイプやその他箇所に取り付けたい場合は小物から作る特殊加工扱いです。

コネクターはロウ付けで取り付けるので、当工房で施工できるのはクロモリやステンレスなど鉄系フレームのみです。

ロウ付けをするので施工部は塗装が剥離しますので、元通りにしたい場合は再塗装も必要です。

 

 

ベルトドライブになると、外装変速は使えなくなり、シングルスピードと内装変速ハブのみの選択肢です。

 

ベルトドライブはレーシングパーツではなく、いわば少しゆるめのコンフォート的パーツ。

日常生活やゆるく楽しむような方なら、メンテナンスの手間もかからず日々の道具として非常に良いです。

レーシング用途だと変速レスポンスも良くない内装ハブですが、日常使用ならば気になるレベルでもないです。

街乗りだとぶつけて歪みやすい弱点のリアディレイラーが無くなります。

 

 

対応のパーツ規格は少ないです。

チェーンリングは、5アームだとPCD130㎜、4アームだとPCD104㎜、選択肢はこの2つのみ。

この規格は最新のレーシングパーツの中だとすでに一昔前のもの。

規格から見たところでもレーシングパーツではないという事になります。

 

 

規格をクリアしたら、ベルト長の割り出しです。

チェーンのようにリンクをつなぎ合わせたような仕様でないため切断不可です。

取り付けるフレームのリアセンターと、確保したいギア比、それに付随したチェーンリングとスプロケットの歯数、これらをすべて把握したらベルトの長さを算出可能になります。

気を付けなくてはならないのが、チェーンとベルトでは歯のピッチがまるで異なるのでチェーンで慣れた歯数で割り出すと全く違うものになるので注意が必要です。

例えばチェーン駆動の38Tはベルト駆動だと46Tぐらいでチェーンリング外周が一致します。

外周が一緒ならギア比は一緒ですが、歯数はチェーンとベルトでは全く違います。 

 

ベルト導入のためにはやる事も多いですし、ベルト用のパーツも安くないので、コストもかかります。

 

 

これ等の条件が乗り越えられる方なら、メンテナンス頻度が極めて少なく済むベルトドライブの自転車ライフが待ってます。

油汚れから解放されるとなかなかチェーンには戻れないです。

 

空気入れの次ぐらいの頻度が要求される駆動系の掃除。

放置すればした分摩耗し、汚れも頑固になりつつ走行感も渋くなるチェーン駆動。

当たり前について回ってきたメンテナンスから解放されます。

耐久性も抜群ですので、チェーンではしばらく乗ると必要だった張り直しもほぼありません。

数年間で4万㎞弱ぐらいは乗った愛車のベルトはまだまだ倍以上は使えそうな状態です。

 

毎日使っている道具のメンテナンスは少なく済むならそのほうが良いです。

最初の組付けに心血注いで組み上げるのは大好きですが、度々手間をかけてあげないと維持できない道具は品質が良くないとも言えます。

長年使うにはメンテナンスフリーというのはどの分野でも不可能に近いと思いますが、適切な作り込みと最低限でも確かなメンテンナンスをしてさえいれば永く付き合える道具が手元に残る気がします。 

 

 

いじらず乗っても動きが渋る事もなく、駆動音なく静か。

自転車は派手な機械音より無音好きの自分には実に良いです。

 

 

ベルト導入のカスタムは、分割コネクターの施工、ベルト長やギア比算出、パーツ手配、組付けなど、全工程でもご依頼承っております。

ベルト割り出しや手配組付けがご自身で出来る方は、コネクターの施工だけでもOKです。

 

 

 

 

 

規格の少なさには自分も難儀した一人でした。

 

リアセンター激長の我が愛車、以前は適合する中で思うギア比を確保しようとすると、選択肢は4アーム104㎜のみ。

5アーム好きの自分には苦渋の選択でしたが、渋々4アームを使っておりました。

 

 

BELT 

 

最近はベルトの長さの商品構成が以前より増えて、我が愛車にも5アームがつけられる選択肢が見出せました。

 

しばらくしていない愛車のカスタムをこの機にと、以前より気になっていたMIDDLEBURNのクランクを導入しました。

最近は鉄フレームに似合うクランクが激減してるので、当工房のお客様にも人気です。

このクランクは自分のような少し昔の自転車の雰囲気が好きな方にはなかなか良いクランクです。

お客様の発注分に便乗し、やっと取り入れ完了です。

 

24㎜スピンドルに対応しつつも古き良きクランクを踏襲したルックス。

クランクアームとスパイダーが分離出来てPCD等を変更出来たりするところも、自分のような一昔前のカスタムを好む自転車野郎には垂涎モノです。

新しいものと古いものが融合したようなクランク、自分の愛車のコンセプトにも通じぴったりです。

今のパーツはカスタムがやりにくく、少しもの寂しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

CHAINSTAY CONNECTOR 

 

 

オーダー製作ですとこのような仕様も出来ます。

パイプ中腹につくよりもシンプルになります。

 

後付けのカスタムだと非常にやりにくいです。

カスタムとオーダー製作は自由度がまるで違います。

 

 

 

ベルトドライブの施工はいつでもご相談承っております。

 

長くなってしまったので其の弐に続きます。

次回はバネ&スタンド編です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

https://www.instagram.com/potalmetalpot/