最近は有難いことにご遠方のお客様からよくお問い合わせを頂戴します。
お会いしたことも無いのに自分のような未熟な製作屋を気にしていただけるのは、本当に光栄で喜ばしい事です。
しかし、大変申し訳ないのですが一度も顔を合わせたことの無いお客様からのオーダーは原則的にお受けしておりません。
うちの製作は形式が無いカスタムオーダーが基本です。
電話、メール、書面では絶対に伝わらない事があります。
製作現場である工房をご覧いただき、現場を感じながら直に顔を合わせて相談を進めます。
まずは最低限でも信じていただき、何をお求めか汲み取るべく些細な事でも耳を傾けますのでご要望を大いに自分にぶつけてもらう流れですが、相談方法もとくに形式が無いので都度流れで進めます。
自分自身が思い通りの自転車がないのが理由で工房を立ち上げたのですから、なんでも出来るわけではありませんが可能な限りはお応えしたいというのが信条。
自分が依頼する側だったら、しっかりと相談に乗ってくれる職人さんはそれだけで安心し信頼できます。
こう考える以上は少なからず自分もそれをすべきです。
各々の個性と感性を汲み取り、乗り手の体躯・用途・好みにしっかりと沿った上でうちらしさを盛り込むのが難しく面白い。
要望に基づいていくと半分以上は乗り手の個性です、それでもRew10らしく作る。
毎回悩みますが、それがうちのビルド。
ただ形にしたり、こちらの個性や考えを押し付けるのは簡単です。
折角ならばきちんと永く使っていただけるものを作りたい。
ご要望に合わせ永く乗っていただくというのは本当に難しく一筋縄でいきません。
永く付き合うというのは耐久性だけでなく使いやすさと飽きとの戦いでもあります。
寸法のみならずあらゆる方面からその人にぴったりあったものでないと、乗らなくなってしまいます。
乗らない自転車などただの置物、出来ることならば我が製作が日々の道具として在り続けることを願います。
こちらの考えを一方的に押し付けてしまっているような小手先の仕上げや仕様は望まず、一歩踏み込んだ意味の深い製作を追求したいと考えています。
実際にお会いしてもしなくても出来上がりの差など感じていただけないのかもしれません。
でも自分にとっては明らかに作りやすさと出来栄えが変わります。
こういった考えも自分の押しつけに過ぎないただのエゴかもしれませんが、折角ならば少しでも良いモノを手応えを感じやすい方法で作らせていただきたい。
ちょっと難しいオーダー方法に伝わってしまうかもしれませんが、ご要望に沿った細かな寸法値などは基本こちらで考え提案しますし、細部仕様はRew10 flickrをご参照いただき今まで作った仕様を参考に組み合わせディテールを構築されたりすると良いかと思います。
あまり考えられない方は紹介している其々の過去作を一つのベースモデルと考えれば良いでしょう。
自転車歴が浅い方や初スポーツ車のお客様もオーダーできているので、ある程度相談に時間は要しますが難しいものではありません。
難しい事はこちらが悩むこと、ご要望は具体的でも抽象的でも問題ありません。
どのような伝達でも極力汲み取る努力はしてます。
お客様に必要なのはオーダーに対する熱意とでも申しましょうか。
一つコツとして、ご要望、ライフスタイル、好みは当然こちらで作り上げることはできませんので、その辺をしっかりとお聞かせくださるとより良いものが出来やすくなります。
今までに色々幅広い製作をしてきたので、その経験を活かせばなにかしらの形でお応えできるかと思います。
お互いに思う一台を作り上げるには顔を合わせないと始まらないのです。
一見面倒なようですが、うちの製作は手間をかけることが効率の良い業務だと信じています。
オーダーご検討のお客様、大変お手数ですが一度だけでも良いので工房までご足労ください。
世界は広し、自分などより素晴らしい職人さんも数多居ることでしょう。
それでもうちを気にしていただくのは本当に有難く、ご遠方でも思いにお応えして製作させていただきたいのは山々です。
でも安請け合い的にお受けするよりも、会って話すことでしか感じ得ない事や、話していく上で生まれるお互いの信頼関係を重視します。
レディメイドならばお会いしなくても良いですがオーダー製作をしています。
如何にして乗り手の要望を汲み取り、それにぴったり合ったものを作れるかがオーダーメイドビルダーの力量だと思っています。
長文&少々偏屈で申し訳ありませんが、ご理解とご協力をいただけますと幸いです。
お問い合わせは快くお答えしてますので、気になるところがあればお問い合わせください。
返答に時間がかかることもありますが、必ず返事をしておりますので是非どうぞ。
修理・改造につきましては、可能な範囲で顔を合わせずともご依頼をお受けしております。
自分の存在意義、何をすべきでどう在りたいか、やっと見えてきたような気がします。
純粋にそれに向かってみるとします。
良い自転車を作るためには、自転車製作技術以外も様々な方面の勉強と探究も重要です。
まだまだ浅学、一度の人生じゃ足りないでしょうな...