PPLDが終わってしまったのは少しさみしい気分でもありますが、我が自転車達が返ってきました。
そんなこんなでやっと自転車のある生活が出来ます。
ほんと不憫でした...
新型サンプル二台紹介しましょう。

こちらは、ロードバイク兼ピストバイク。
テーマはシンプルさと細さの限界に挑戦したという自転車。
これ以上細くもできなくはないけど、もはやさらに細くしても様々なパーツとルックスのバランスが取れないと考え、ルックスも考慮した限界の細さに仕上げました。
なんでもやりすぎるとかっこよく仕上がらない。
そして奇をてらったと感じさせると、全体のまとまりがなくなり今回のテーマのシンプルさから反れてしまう。
そしてこの自転車は、街中を効率よく移動するときに必要な性能を自分なりの考えで理想に近く突き詰めてみた自転車です。
しなやかで疲れにくく、かっこよく、雨にも強く、シンプルで飽きにくく、兼用車ゆえに組み替えも出来てさらに飽きにくいので永く付き合える。
欲ばりな一台です。

苦労した脅威のクランプレスアヘッドステム。
ただのショーバイク的仕様ではありません。
全く問題なくきちんと使用でき、通常通りの強度も確保してます。
自らガツガツ使います。
ヘッドチューブは1 " のものをさらにシェイプ、フォークコラム外径ギリギリまで攻める。
トップチューブはφ22.2mmのパイプに内蔵加工、ステンレスのパイプを通して内蔵穴を作ってありますので錆には強いです。
小さなところにも手は抜きません。
ダウンチューブは25.4mm。
取り外し式ダボ付き。
剛性を増すため、BB付近は28.6mmに変化。

割りに邪魔されることなく、モノステーの美しさが際立つクランプレスシート。
一体成形ではないのでちゃんと高さ調整できますよ。
シートチューブは、クランプレスシートに対応させるべく、三本のパイプを継ぎ合わせて内径・肉厚をコントロール。
ここも細さにこだわり、シートチューブ25.4mm、シートポスト22.2mm。

バンド式のフロントメカを特殊シムを使用することなく組み付けすべく、フロントメカバンドから下は25.4mmのパイプが28.6mmに変化。
シム作れば簡単だけど美しさが損なわれるので好きじゃない、一手間加えてやったほうが全然良い。
ピスト兼用なので直付け台座もNG。
こちらもダウンチューブ同様にBB付近が太くなることにより、剛性アップにも貢献する一石二鳥効果。
いまはロードとして組んでいますが、ピストで組んでもダボなどが取り外せるため、高次元に兼用フレームという性能を高めています。
いかにシンプルなのに個性と作り込みを施すか、というくだらないと言われてもしょうがないことに本気になってみたマニアックな一台。
シンプルでもかなり超級な手間がかかってます。
細部少しカスタムしてもうちょっとかっこよくしたい。
楽しみにしておこう。
続きまして、大好評だった特にお気に入りの一台。

こちらは街中をまったりと移動するために作ったストリートクルーザー、隆天號。
普段の仕事で着ているワークウェア、ワークブーツにひたすら似合い、そのまま乗れる自転車が欲しいと思って作りました。
ビーチクルーザー、MTB、実用車を掛け合わせた特殊車種。
使い方は広いです、おおよそ上記三種の使い方はできます。
ダートはライト気味な場所に限られそうですがそれなりに楽しめそうです。
先に紹介したシンプルバイクと同様にジオメトリーにもこだわってます。
さっきのは少し攻撃性を出した立ち気味な角度、こっちはゆったりまったりなかなり寝気味。
車種によるジオメトリーのかっこよさを表現するというのも常日頃強いこだわりを持っています。
ジオメトリーのかっこよさというのはもの凄く重要で、幅広い車種を愛していないとミックスしたときになかなかかっこいいジオメトリーに味付けできません。
そして機能にぴったり沿ったジオメトリーだとなおさら良い。
激寝なシートアングルですがここは凄いこだわった箇所で、ただただ見た目の相性だけでなく、サドルトップからBBまでは前述のロードとほぼ同じ長さなのですが、角度が寝ていると地面までの距離が短くなり、足が地に着きやすいといったビーチクルーザーや実用車の良さを取り入れています。
これが街中散歩に異常に調子良い。
信号待ちでサドルから腰を離すことなく、自然に足がつけます。
この快適さ、是非試していただきたいものです。
ルックスに大貢献の最近当工房一押しのブラスパーツをふんだんに使用。
ハンドメイド&ブラスは非常に相性が良くまとまります。

真鍮は重たい金属ですが、こういったゆったりとした自転車のアクセントにはぴったりです。
使い込むほどに味わいを変えてくれるのが日々のライドを楽しくしてくれる。

真鍮は重たいくせにあまり強い金属ではないので、構造物的なパーツには使えません。
ステムぐらいなら出来なくもないですが、耐え切れないほどのクソ重になります。
そんな理由でステムだけ真鍮メッキ。
地はクロモリですが、無垢の真鍮を削って作ったかのような丸みのあるフィレットにして、らしさをだしています。
丸みを出すためにクランプ部のパイプも一工夫。
メッキも無垢材とは少し味の入り方が異なりますが、これはこれで良好な変化を楽しめます。
ヘッドキャップは無垢の真鍮。
出来立てはキンピカだったのに見事にアンティークゴールドになりつつあります。
もっともっと変わっていくのが楽しみです。
メッキは研磨できないけど、無垢材ならば磨けば新品のようにリセット可能。

仏具のような雰囲気の丸型シートクランプ。
かっこいいけど重い。
ポストヤグラもブラス。
銘切あり。
これも重い、でもこれぐらいの重さを気にしたらブラスは使えない。
気にするような車種ではないのであまり気にしない。
乗ってみても感じますが、狙い通りのゆったりさで最高の仕上がりです。
新作二台の紹介でした。
まだまだ書ききれていないこだわりも多数ですが、割愛。
お客様の自転車にも全く同様こだわりを持って製作に望んでいます。
うちのオーダーはかなり自由です。
根掘り葉掘り色々と伺って、最高の一台を製作できるように励んでいます。
しかし、常にワンオフカスタムフルオーダーというのは大変。
この形態、いつまで持続できるか...
ほんと魂削れます。
