忙しい毎日。
小さな工房へご依頼が来る、面白いものを作らせていただき光栄きわまりないと思いつつ製作しております。
信じてご依頼くださったお返しに良いもの、ひたすらに良いものをと。
その証拠に銘切という仕様がうちにはあります。
隆天の製作物にはほとんどのものに、唯一無二のオリジナリティの証でもある銘が切られます。
ステムの一部、その他一部のものに切っていないものもあります。
骨董品や日本刀などに切られている古来の文字です。
自分は最先端技術にも興味は強くありますが、どちらかといえば古来の伝統的な業に強く心打たれます。
昔はすべてハンドメイド、古の職人の業には本当に敬服します。
古の業、銘には特別な思い入れがあります。
手間はかかるが、切ってあっても性能面ではなにも役にたちません。
製造no.みたいなものですから、意味のないものと切り捨てられてもしょうがないものです。
でもこういうところにも強いこだわりを。
鏨でカツカツ、少しずつ、少しずつ、切っていくんです。
ときには豪快に力強く切り、ときにそっと繊細に切る。
力加減、鏨の向き、運び、奥が深いです。
一打で一画も切れません。
しかも切る面は平ではなく曲面。
これのおかげで持病の腱鞘炎が痛みます。
自分の右手、実はちゃんとグーができません。
こんなものを何故切るかといえば、
意地です。
せっかくの手作業による産物、ポンチでの製造no.や英文字だとものさみしいのです。
製造no.まで手作業の味を。
銘は妥協せず作った証、責任を込めた証、魂です。
日本人が切ることでさらに深みが増し、独特の味がでます。
すげえモノ作ってやる!!と、怨念ともいえるかもしれない執念じみたものを込めてしまっているかもしれません...
こういう言い方だとなんか重いですね...
基本的にフレームはBBパイプ、フォークはフォークコラムに銘を切ってます。
その他パーツは切れる場所がなかったり、相談により切る場所を決めてます。
本日、受け渡しが完了したステムにはいい味がでた銘を切ってあります。

シンプルにイタリアンカットラグを飾ったラグステムです。
イタリアンカットのラグフレームに装着すれば、これしかない!的な美麗な統一感がでます。
規格はやはり美しい1"アヘッド。
アヘッドが世にでてきた直後、オーバーサイズに変わってしまい、あまり使われなくなってしまった規格。
市販のアヘッドステムなど数少ない、そんなコアな規格が大好きです。
メインのパイプに下手に切るとクラックにつながるので、ステムは切れる場所があまりありません。
なのでコラムクランプパイプに切。

寿の一文字。
このオーナー様の有難いお名前です。
個人的に異常に様になっている文字に感じ、見とれてしまいました。
なにか完成して見ていると、いろいろな気持ちが込みあがってくるのです。
また研磨地獄に引きずり込んでくれたモノでもあります...

反対側には隆天銘。
製造者の執念がこもってます。
しかし鏡面だと埃すら目立ちます。
遠方のお客様でしたが非常に喜んでくださったようで誠に光栄です。
また製作意欲が沸きます。
ただ喜んでもらうために意地になってます。
銘切は各種ご要望を伺ってます。
多いのは下の名前、次にフルネーム、好きな言葉、座右の銘などを希望する方もいます。
なんでも大丈夫です。
MADE IN JAPANの真骨頂、銘切。
REW10ならではの仕様。
我が魂です。