当ホームページを熟読してくださっているありがたい方々はご存知だと思う隆天オリジナル仕様の銘切り。
ハンガーパイプという目立たない箇所に入るものですが、わが魂を注いだ証拠が一台一台、手作業で切られます。
日本人しか出来ないような日本人ならではの仕様をフレームに絶対取り入れたかったのが始まりですが独学で学んだ故、最初は見せられないような銘でした。
日本刀の銘切の入門書を古本屋を回ってやっと探し出して勉強したり、骨董品など様々な日本の伝統工芸品を知り合いの古美術商にみせてもらったりと、絶対モノにしてやろうと日々ムラムラしておりました。
刀銘入門を見てみると切り方はほとんど書いてない!
銘カタログって感じでした。
技術は自分で学べってことか..それでも見るだけで学べるところはある。
銘切りの場所がハンガーパイプですから、下手な場所に切るとパイプ溶接部とかぶってしまうので文字の大きさなどにも気を使わないと、フレームとして形にするとき痛い目をみます。
うまく切れても台無しに...
しかもパイプですのでアールついてて切りにくい。
さらにすべて一発勝負。
かなりうまくいって最後の一文字で...
アっ!!!!!!
なんてことがあれば端材コーナー行き...
うまく切れているときほど最後に向かって緊張感が高まる。
まさに魂を注がないとすぐミスる。
一時期かなり端材がたまりました、もったいない
なんでこんな面倒な加工をやる事を決意してしまったのか...たまに後悔したり。
練習の甲斐あってうまくなってきました。
とはいえ技は無限。
甘いところもまだまだあるので満足はできません。
うまくいっても満足したらそこが技術の上限です。
もっともっと勉強を重ねていろいろな書体もできるようになりたいものです。
でもどんなに美しい銘切りをしても、残念ながら塗装すると銘がぼやけていまいます。
まあ製造NO.の代わりで、装飾が目的というより製造NO.です。
隆天で製造されたものには製造NO.の代わりに何年何月製作、製造者の名、オーナー名の銘が切られます。
オリジナルフレームの製作等も承っておりますが、製造銘だけは自分の名を切らせてもらいます。
わが魂、そこだけは譲れません。
しかし日本の先人達の技術は本当にすごい。
金工、日本刀など、銘切りだけみてもすばらしくうつくしいのに、作品全体をみるとどうやって作っているか想像がつかないほど手間かけてる。
ハンドメイドしかない時代。手作業でやるしかない。
そんなものづくり大好きです。
不思議なことにわたくし普通に書く字は下手なんですが、銘や隆天漢字ラグはうれしいことに達筆といわれたりもします。光栄です。
字書くのと鉄を加工する文字とは筆跡が明らかに違う。
刀銘入門にも書いてあった、書く筆跡と銘切りでは違うというのは本当だった。
刀銘入門や骨董の本がバイブルになりつつある。
見ててほんと面白い。
自転車以外の技術も自転車で表現できるようがんばります。
日本伝統工芸だけでなくその他もできるように。
一生かけても足りないな...できる限り勉強しつづけます。
全く新しいタイプの自転車が増えて、ざまざまな世界から自転車を楽しむ人が増えてくれれば幸いに思います。
銘切りの小さなメリットをもう一つ。
盗難が相次いでいますが、銘は塗りなおしても消えません。
削らない限り消えません。削り取れば強度不足になります。
オーナー銘からムンムンと犯人に念が伝わることでしょう。
あなたの自転車ではない...主のもとへ返してくれと...
無銘でも持ち主の思いがこもったものの盗難はもうやめましょう。